こんにちは、元企業経理のポツンママです。
自営業やフリーランスをやっていると、簿記試験を受けてみようと考える人がいらっしゃると思います。
3級の試験はそこまで難しくないので独学で合格を目指せると言われていますが、自分の仕事をしながら勉強時間を確保するのはなかなか厳しいですよね。
今日は、受検体験談をもとに独学での簿記3級攻略法について書いてみようと思います。
この記事の目次
経理なのにまさかの不合格、原因と落とし穴
私は仕事で会計のデータを作っていたので、簿記や仕訳についてアレルギーはありませんでした。
まったくの初学者よりアドバンテージはある、日常的に簿記や会計に触れる機会も十分ある。
それなのに、検定試験の1回目はまさかの不合格でした。勉強期間は1ヶ月弱ほど取ったので平均的かと思います。
不合格の原因は、試算表の違いを理解していなかったこと。
試験後答え合わせをしたところ仕訳は全部合っていたのですが、残高試算表と合計試算表が頭の中でごっちゃになっていたんですね。
時間配分も考えていなかったので、見直しの時間も十分取れずにタイムアウト。
仕訳は何年も切っていますが、経理の現場では自分で電卓を叩いて試算表を作ることはしません。複式簿記で仕訳を切ってデータ入力をすれば、後はすべて会計ソフトが試算表も貸借対照表も損益計算書も作ってくれます。
これが落とし穴でした。
既に表になっているものは日常的に眺めていても、その表の作り方自体を理解していなかったのです。
経理担当者なのに不合格になってしまい、それなりにショックを受けました。
次こそは合格!と、簿記検定や税理士試験について解説しているサイトを色々見たところ、簿記検定で合格をもらうにはどうやらコツを身につければいいらしいという情報を入手。
ここからは教材選びや弱点克服を含め、私が行った勉強方法を紹介していきます。
学習教材はテキスト・過去問・スマホアプリ
簿記を独学で勉強するなら、最低限テキスト・過去問(10回分)を用意しましょう。
テキスト・問題集を開いて勉強できる場所や時間は限られているので、スキマ時間の学習用にアプリもあると更にいいです。
中古はダメ!テキスト・過去問は最新版を
簿記を勉強するときに、オークションやブックオフ等の中古書店で少し前のテキストや過去問を入手しようと考えるかもしれませんが、これはおすすめしません。
というのも、私自身がそれをやって落ちているからです。
簿記試験は常に出題範囲が変わります。そして、1年に3回ある試験の中に当たり回とはずれ回が混在しています。
合格率や、各回の試験問題&解答・解説を載せているWebサイトを見るとわかりますが、簿記試験には出題傾向があるんです。
ここ数回の出題傾向と1年以上前の出題傾向は異なるので、古い過去問を入手しても得られるのはその書籍が出版された頃の傾向。
これから受ける試験で欲しいのは最近の情報なので、テキストや過去問はできれば最新版を、最低でも1つ前の試験に対応しているものを用意しましょう。
テキスト選びが重要!良質なもの1つに絞ろう
私自身が3級を勉強していたときはTAC出版のスッキリわかるシリーズを使っていたのですが、説明のない用語が突然出てきて、理解するためにネットで調べたり二度手間になった記憶があります。
滝澤ななみさんのテキストは、概要を理解するのにはいいです。でも、細かいところまで詰められていない印象で、合格点(70点)を取るのが目的なら事足りますが、経理担当者が簿記をくまなく身につけるためのテキストとしては物足りませんでした。
簿記試験のためのテキストは色々ありますが、個人的にはパブロフ簿記をおすすめします(私は2級受検時に使用)。
見開き2ページで1つの単元になっていて、左ページは四コマまんが、右ページは仕訳の書き方や解説が載っています。
パブロフくん(2足歩行犬)とお兄さんの絵はシンプルだけど親しみやすく、商業で行われる取引がわかりやすいストーリーに仕立てられて描かれているので、簿記がスッと理解できますよ。
簿記ってなあに?という初学者におすすめ。
このテキストは、本試験形式の実践問題が付属しているところがよかったのですが、別途問題集が発売されたことにより簿記3級では問題の配布が終了してしまったようです。残念!
パブロフ簿記はかわいいパブロフくんのアプリも出していて、通勤時間やスキマ時間の勉強にぴったり。
現在、実践問題のダウンロードサービスはこちらのアプリ購入者の特典になっているようです。
問題はPDFファイルで閲覧・ダウンロードできるのがすごく良い。
学習教材はある程度厚みがあるので、重いのがネックです。外で勉強するときにテキスト・問題集を持ち歩くと結構な重さになり移動が苦痛になりますが、ファイルで問題が見られるならタブレット端末1つでOK。
私はiPadで問題を閲覧し、対応している解答用紙を印刷して問題を解いていました。
インプット、アウトプットの学習計画を立てる
平日は仕事や家事育児がメインなら、意識しないと勉強時間は確保できませんよね。
時間を作りづらい場合は、試験の1ヶ月半くらい前から計画を立てると良いです。
基本的には平日:インプット、休日:過去問&弱点克服。
- 試験6週間前~4週間前
平日:テキストとアプリでインプット学習
休日:過去問を解いて問題に慣れる
- 試験4週間前~試験まで
平日:スキマ時間にアプリ学習
休日:ひたすら過去問を回す、1日あたり最低2回、できれば3回解く
過去問10回分×2回転して9割~満点を取る
TACの過去問には点数を記入する欄がありますが、各回2回ずつ解くことが前提で欄が設けられています。
試験を受ける前には、最低過去問10回分×2回転はしましょう。1回転めは合格点ギリギリでも、2回転めでは9割~満点を目指します。
同じ問題を解くと解答を覚えていることがあるので、とにかくいろんな問題に触れてどのタイプの問題が出ても正答に導けるようにしておくことが大切(特に第3・第5問)。
そのような意味でも、過去問10回分+パブロフ簿記の本試験形式問題などを組み合わせて、様々なパターンの問題を見ておくのがいいと思います。
とにかく仕訳!何が出ても必ず解けるくらい頭に叩き込む
簿記3級の仕訳には難しいものはありません。
勘定科目は資産・負債・純資産(資本)・収益・費用の5つに分けられますが、パターンが決まっているのでそれを覚えればいいだけ。
仕訳は『お金が増えた減った』『モノが増えた減った』『何かにお金を使った』『どこかから資金を調達した』等を表しています。
ざっくり言うと、
- お金やモノが増える場合は左
- お金やモノが減る場合は右
- 何かにお金を支払ったら左(お金の使い道)
- どこかからお金が入ったら右(お金を得た手段) など
※左:借方、右:貸方
勘定科目をこれに当てはめてすらすら解けるようにするには、たくさんの問題に触れてひたすら仕訳を切るしかありません。
スキマ時間を見つけたらアプリで仕訳を覚えましょう。
【重要】間違いノートは必ず作る
勉強を進め過去問を解くところまで来ると、自分の苦手な単元が見えてくると思います。
費用・収益の繰延べ・見越しや、固定資産の売却&減価償却費など。
過去問を解くときには、間違えた箇所をまとめるための専用ノートを作りましょう。
解き終わった解答用紙の空いている箇所に解答や解説を書き込んでも、後からそこを見直すことはほとんどありません。
間違いノートを作ってまとめることで、自分はどの部分の理解が弱いのかがひと目でわかり、総仕上げの際に重点的にポイントを絞って勉強できます。
- 書くときは1ページにつき1つの項目
- 黒以外の色も使って書く(3~4色まで)
- 図を取り入れて頭に入りやすくする
1ページにつき1つの項目
間違いノートをつくる目的は弱点の把握。
あれもこれもと一度に書くと自分はどこが苦手なのかがわからなくなってしまいます。
後で見直すためにノートを作るので、間違えたポイントは小さく切り分けて1つずつ書きましょう。
好みもあると思いますが、小さめのリングノートが使いやすいです(私はA5サイズを使用)。
色を使って書く
鉛筆の黒だけだと頭に入りにくいので、見やすくするために適度に色を使って書きます。
カラフルにしすぎるとかえって見づらくなるので、多くてもマーカー2色・色ボールペン2色までにしましょう。
このとき色付けのルールも決めておくと、間違いノートを見直したときの理解も速いです。
文だけでなく図も取り入れる
繰延べ・見越しや資産の売却などは、図も入れて書いた方が理解しやすいです。
- 問題に出てきた支払日や購入日、決算日や売却日、期間を入れた図
- 仕訳
- 計算方法・解説 など
忙しい社会人や主婦でもできる勉強時間の作り方
- テレビを観ない
テレビがついていると、観る気がなくてもついだらだらと時間を過ごしてしまいますが、インターネットが普及している今、テレビでしか得られない情報はありません。
時間を作ろうと思ったらまずテレビは消しましょう。
- スマホで遊ばない
時間の無駄。試験が終わったらいくらでもできます。SNSは家族と必要事項のみ。
スマホを使うのは簿記アプリで仕訳をきるとき。
- 早起きする
いつもより1時間早く起きれば、勉強時間を作れます。
寝起きは頭がスッキリしているので、勉強が捗りますよ。
- 通勤時間とお昼休みはスマホで勉強
通勤時間と昼食後の時間は、勉強時間にあてましょう。
そうすると、1日あたり1時間半~2時間くらい作れませんか?
毎日勉強時間を2時間確保できるのは大きいです。
会社では簿記アプリを使うと、いつでもどこでも勉強ができて便利。
- 休日は子供を預ける
子持ちの人は、休日は子供を夫に預けて、図書館や自習室など静かな環境で勉強しましょう。
難しいなら一時保育を利用したり、祖父母に預けて勉強時間を確保。
休日はまとまった時間を使ってアウトプット勉強に充てたいので、3~4時間はぜひ作りたいところ。
そのためには、家事は最低限、外食・お惣菜活用でもOKと割り切ることが大事です。
子持ち主婦の場合「家事は完璧に」「育児もできるだけ自分で」「検定も合格したい」と高望みすると倒れてしまいますよ。
検定合格するまでの1~2ヶ月間限定であることを家族にも理解・協力してもらって、手抜きできるところはしてしまいましょう。
まとめ
- テキストと過去問は最新版を用意
- 1つでも多く仕訳を切る練習を!アプリの利用が便利
- 平日はインプット、休日はアウトプット中心
- 弱点克服のために間違いノートは必ず作ろう
- 生活を見直せば勉強時間は作れる!通勤時間とスキマ時間を活用
ここまで書いたら長くなってしまったので、試験テクニックは別記事で書きます。
簿記は1に仕訳、2に仕訳ですよ!たくさん切りましょう。
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