【音感リズム感】発達障害児にピアノを2年習わせて身についたもの




こんにちは、ポツンママです。

息子がピアノを習い始めて2年になるので、その間に身についたものを音楽的なものと本人の力や長所になるもの、2つの面からまとめてみようと思います。

絶対音感と相対音感

「ピアノを早くから始めると絶対音感が身につく」とよく言われますが、絶対音感ってどんなものなのかをまずおさらいしてみようと思います。

絶対音感
絶対音感(ぜったいおんかん、英語:perfect pitch)は、ある音(純音および楽音)を単独に聴いたときに、その音の高さ(音高)を記憶に基づいて絶対的に認識する能力である。狭義には、音高感と音名との対応付けが強く、ある楽音を聞いたときに即座に音名・階名表記を使用して表現できる能力である。(Wikipediaより引用)

わかりやすい例を出してみると、電子レンジが「ピーッピーッ」と鳴ったら、その音がドレミファソラシドのどこに当てはまるかがわかるわけです。

電子レンジの「ピーッ」は『レ』、お風呂が沸いたときの「ピピッピピッ」が『ラ』、目覚まし時計の「ピピピピピピ…」が『シ』、というふうに。

私たちの周りで聞こえる音や声は、すべて音階に当てはめることができます。
「ピーッ」だったり「ニャー」だったり、そのままだとレンジの音・猫の鳴き声ですが、それが絶対音感を持つ人の耳や脳を通すと、ドレミファソラシドに変換させることができるということです。

この絶対音感に対して、相対音感というものもあります。

相対音感
相対音感(そうたいおんかん、英語: relative pitch)は、基準となる音(純音および楽音)との相対的な音程によって音の高さを識別する能力である。音楽を美しいと感じるには、相対音感が必要であるから、ほとんどすべての人が本質的に持っている能力と言える。(Wikipediaより引用)

つまり、基準となる音があり、それに対して音が高いか低いかを聞き分けることのできる能力のことを言います。

『かえるのうた』を例に出してみると、

ファミレド ②ファソソファミ

(基準の音)に対しては高いか低いか?
(基準の音)に対しては高いか低いか?

というのがわかるかどうかということ。
(ちなみに①は高い、②は低いです)

ウィキペディアにも書かれているように、これはだいたいみんな持っています。
歌を聴いて、そのとおり歌うことができれば相対音感があると言えるでしょう。

ピアノ歴2年の音感

息子の場合、ピアノを2年習い、絶対音感が身につきつつあります。

ピアノを単音で鳴らすと、鍵盤を見なくても『レ』とか『ソ』とか正確な音名で答えるので、きっと絶対音感がついているということなんだろうなと思っています。

ただ、この音名を高い精度で当てられるのは今のところ白鍵だけで、黒鍵を鳴らすと隣の鍵盤の音名を答えます。
黒鍵についてはあと一歩というかんじ。

コード(和音)は、C(ドミソ)F(ファラド)G(ソシレ)については起点の音が変化してもわかります。

リズム感

『リズム感がある』というのは、一定の間隔を刻むに対して、それを正確に捉えることができるということです。

時計の秒針は1分間に60回カチコチ鳴りますよね。

この一定間隔でカチコチしている時計に合わせて、両手を叩いて等間隔で音を鳴らすことができれば、基礎的なリズム感があると言えます。

楽譜に書かれたリズムパターンを捉える

拍どおりに叩けば4分音符(タン)、拍を半分に区切って1拍に2つ入れれば8分音符(タタ)、拍を4つに区切って1拍に4つ入れれば16分音符(タタタタ)と、ピアノ学習を進めるにつれて複雑なリズムが出てきます。

息子の通うピアノ教室では、ピアノを弾くだけでなくソルフェージュも取り入れ、リズム感を養っています。

左手で机をタンタンと一定間隔で叩き、リズムブックに書かれたリズムパターンを口ずさみつつ右手でリズムを叩いて表現する練習です。

最初は4分音符だけのパターンから始まりましたが、2年で付点4分音符+8分音符など裏拍をとるパターンまで進んできました。

息子を見て、右手につられないよう左手で一定のリズムを打ち続けるのも大変そうだと思うのですが、そういうものだと考えているのか左手は拍マシーンと化しています。

読譜力

楽譜に書かれた音やリズムを読む力を読譜力と言います。これは楽譜に書かれている音符を見て、『この音符はソで、長さは拍1つ分』というのがわかるか、ということです。

音楽、特にクラシックをやっていく上で読譜力は絶対に必要です。

こちらもソルフェージュで養っていくものですが、ピアノは好きでも読譜は好きじゃない子がいるというのを息子を見て知りました。

読譜が苦手な子は、先生や親の模範演奏を見て【鍵盤の位置を覚えたり】【耳で音とリズムを覚えて】再現することを好みます。いわゆる耳コピです。楽譜を読んで表現するのではなく、模範演奏に近い演奏を目指すんですね。

耳コピを続けてしまうと、いつまで経っても自分で楽譜が読めません。

息子も半年くらい前までは「これどうやって弾くの」と模範演奏を求めてきましたが、読譜力を付けてほしかったので、音符を一音一音確認しながら家庭で教えていきました。

親が楽譜を読めるなら、楽譜が簡単なうちに教えてあげたほうが、あとあと楽になると思います。
最初は手が掛かりますが、数ヶ月経つと自分で譜読みができるようになってきます。

やり遂げる力

ADHD気質のある息子は興味の対象がコロコロ変わるので、何かをしていても途中で投げ出してしまうことが多いのですが、ピアノを習うようになってから物事をやり遂げる力がついてきました。

練習スケジュールを立てても時間通りに進まないことが多いですが、自分に課されたタスクはこなします。
テレビを観るのはハノンを終えてから、ゲームをするのも今日の練習メニューがすべて終わってから。

ASD寄りなところもあり予定の変更ができないということなのかもしれませんが、それがいいように生かされているように思います。

ピアノを弾く習慣

ピアノの練習が日常生活に組み込まれるようになると、毎日練習することに対しての疑問や反発がなくなりました。

習い始めた当初は前回のレッスンから1度も弾かないまま次のレッスンに行っても何とかなっていましたが、小学生になり課題のレベルがぐんと上がり、練習なしで行くと目も当てられない演奏になります。

発表会ではレベルの高い曲を自ら選択し、練習を日課にしないと間に合わない状況になったときは「どうして今日もやらなければいけないの」と文句ばかり言っていましたが、数ヶ月毎日続けるとそれが当たり前の生活になりました。

ポイントシール制の導入

発表会前は、1回練習するごとにポイントシールを1つというシステムにしていました。

練習回数がシールの枚数になって目に見えるので、頑張った実績がわかりやすいです。

上手に弾けたらお気に入りのシールでごほうび感覚にしたり、シールのバリエーションを増やしたり、マンネリ化しないように工夫することで子供のモチベーションを保てます。

ピアノが弾けるという自信

ピアノを習って得るものの中で一番大きいものだと思っています。

発達障害の子は、定型発達の子が難なくこなせることができずに、叱られたりして自信をなくしがちです。

運動が苦手どころか極度の運動音痴。
忘れ物が多かったり、決められた時間に間に合わせることができない。
でもピアノが弾ける。上達するための努力もしている。

1つでも秀でたものがあると、それが自信になります。

息子は苦手なことが多く、ピアノ自体もうまく弾けなくて自暴自棄になることもありますが、上達するための努力が認められ、先生からも期待されているのでそれが更に自信になっているようです。

まとめ

発達障害(グレー)の息子が、ピアノを2年習って身についたもの

  • 絶対音感(今のところ白鍵はOK、黒鍵はあと一歩)
  • リズム感(8分音符で裏拍を取れる)
  • 読譜力(ハ長調はOK、シャープ・フラットがつくと忘れることも)
  • やり遂げる力(決められたタスクをこなす)
  • ピアノを弾く習慣(疲れてても20分は弾く)
  • ピアノが弾ける自信(自分の優れたところだと認識)

時には停滞することもありますが、毎日きちんとピアノに向かっていることをほめてあげることがとても大切です。

がんばって続けていること、つまり継続する力もピアノを習って得た大きな力ですね。

特技になりつつあるピアノ、できるだけ長く続けてほしいものです。









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